大阪市立美術館で「日本国宝展」が始まっています。100以上の国宝が集まるめったにない機会なので行ってみました。
この展覧会は期間中の展示替えがかなりあるため、見たいもの全てを一度で見るというわけにはいきません。一度しか行かないので、娘の希望で「金印」が見られるGW中を選んで訪問しました。
まず新今宮駅で降りて新世界をぶらぶらし、通天閣の展望台にも初めて上ってみました。天王寺公園の緑の中には、この後で行く予定の大阪市立美術館が見えます。通天閣は写真右のあべのハルカスからは遥かに見下ろされていますが、天王寺動物園のキリンを眺めたりできて良いです。

国宝展は素晴らしい展示品がありすぎて、見ているうちにだんだん感覚が麻痺してきました。特に感動があったものといえば、薄く模様の入ったカラフルな紙に、流れるような美しい文字が綴られた藤原定実筆「古今和歌集序」(大倉集古館蔵)です。拡大すれば羽毛の一本一本まで精密に描かれていそうな伊藤若冲「群鶏図」も出会えて良かった絵です。
それから、特に期待はしていなかったけど実物を見て最も衝撃的だったのは、縄文時代の「火焔型土器」です。縁の突起の形や穴の形、溝状の模様など、何にも全く似ていないのがすごい。現代では直線や幾何学模様などの影響を受けないでここまで自由な形はなかなか思いつけませんね。
今回、唯一撮影OKだったのはこちらの薬師寺東塔の水煙(先端の装飾)です。重量400kg程の大きな銅合金製の装飾なのですが、写真はその中のごく一部を拡大したもので、笛を吹く飛天です。フルートをやっていると、どうしてもこういうのに目が行ってしまいます。

連休中なので覚悟していたとはいえ、館内はとても混雑していて見て回るのが結構大変でした。