スティーブン・キング作品に最近よく出てくる主役キャラクターといえばホリー・ギブニーです。
彼女は対人能力に自信がないという、今までにないタイプの探偵です。キングがホリーを気に入っているようで、登場作品はもう”Mr. Mercedes”, “Finders Keepers”, “End of Watch”, “Outsider”, “If It Bleeds”そして”Holly”と6つもあります。キング作品の中でも屈指の大物キャラクターになった感があります。ここまで作品横断的に登場した人物はいないのではないかと思います。
最新作の”Holly”を読みました。これまでの作品では超自然の要素がある事件が多かったのですが、今回は通常の犯罪を扱っています。まあ、通常と言っても超能力者や怪物相手ではないというだけで、極めて異常な事件が描かれます。
こういう犯罪小説を読んでいる時に感じる、落ち着かない、不安な気分の形容を英語で”disturbing”というのだそうですが、これにぴったりくる日本語ってないものだなあと思います。
そしてホリー作品の中で最もディスタービングな作品と言えば、何といっても”Outsider”です。あまりにディスタービングすぎて、イライラ・ムカムカしながら読み進むのですが、それこそがスティーブン・キングの醍醐味というもの。最近翻訳「アウトサイダー」も出ました。面白いので興味のある方はぜひ。
