応挙と若冲

日本橋の三井記念美術館で開催中の「円山応挙 革新者から巨匠へ」を観に行きました。

伊藤若冲と円山応挙に一隻ずつ発注され、対の合作になったいう屏風が目当てでした。これが発見されたとニュースになったのが2024年10月です。今でもこのような発見があるとは夢のある話です。

応挙の手になるのは梅の枝の下に鯉が泳ぐ「梅鯉図屏風」、そして若冲の作は得意の鶏を描いた「竹鶏図屏風」です。

下の写真では分かりませんが、応挙の鯉は想像を絶する写実的な筆使いです。若冲も言わずと知れた超精細な表現ですが、中央下にはかわいいヒヨコが東京土産のお菓子そっくりに書かれてあり微笑ましいです。

左は若冲の「竹鶏図屏風」、右は応挙の「梅鯉図屏風」。これは撮影ができない作品ですので、写真は三井記念美術館のサイトより。

さりげなく展示してあった応挙の「写生帖」を見て驚きました。応挙というと足のない幽霊で有名で、幽玄な絵を描くというイメージでしたが、この写生帖では鳥が羽毛一本一本まで細密に描かれ、写実を極めていたということがよく分かります。応挙が若い頃に描いていた眼鏡絵というものも見ることができました。レンズ付きの箱に入れて見ると遠近感が感じられるという絵で、こういうものから出発したから精緻な絵を描くようになったのですね。

三井記念美術館は建物も一見の価値があります。