若狭の熊川宿を訪れました。ここは、若狭湾の海産物を京へ届ける「鯖街道」の宿場町でした。鉄道が通じる大正時代くらいまではそうした輸送機能を保っていて、当時の面影を残す街並みが今も残っています。
熊川宿では、街道沿いに1キロほどにわたって古い街並みが続いています。期待していた以上に往時の姿がよく残っていて、かつての宿場町の様子を自然と思い浮かべることができる場所でした。
通りに立って眺めてみると、古い建物と山、空、そして道沿いを流れる用水がうまく調和していて、とても美しく感じられます。
こういう街並みを見ていつも思うのは、日本の木造建築もヨーロッパの石造建築も、きちんと手入れされていれば、古くなるほどに美しさを増していくということです。現代の住宅の多くは、必ずしもそうではありませんね。コストや量産性を考えてつくられる工業製品と、一つひとつつくられる工芸品との違いにも、どこか通じるものがあるのでしょうか。



さて、水といえば、熊川宿の近くにある「瓜割の滝」という湧き水へも立ち寄りました。
私はきれいな水の流れる風景はいつまででも見ていられます。湧き水、清流、泉があると聞けば訪ねて行っています。
神域の鳥居をくぐり、苔むした森の中の歩道をしばらく歩くと、涼しげに流れる小ぶりな滝が姿を現します。年間通して11.7℃だという冷たい水を両手に汲めば、この夏の暑さも一気に吹き飛ばしてくれます。


